2012年1月29日日曜日

電子ブックか紙の本か

Kindleを買ってから1年ちょっとが過ぎたが、電子ブックを買うか紙の本を買うかで悩むことが多い。

Kindleの電子ペーパーはよくできていて、たしかに読みやすい。何より、本一冊持ち歩くより軽くて薄いのに、何千冊分も入るのだ。これは、移動時に重宝する。旅行のみならず、引越しの時など本は重い荷物になるから、それを思えばKindleは画期的だ。

1年ちょっとKindleを使ってきてみて、最初は物珍しさから頻繁に使っていたKindleも、最近は使う機会が減った。今は元通り紙の本を買うことが多い。特に仕事関係の本は、必ず紙の本を買う。本棚に並べておくこと自体に意味があるように思う。本棚を眺めるだけで、読んだ時の記憶が蘇る。Kindleのメニューに並ぶ本のタイトルだけを見ても、それはない。知的創造を行う仕事では、過去の読書の記憶が直感で引き出せるのは大きなメリットだ。

背表紙だけでも、大きさ、厚さ、古さ、色、フォントなど、様々な情報があって、やはり実物には相応の価値があるのだと思う。本棚を何の気なしに眺めるだけで、ああ、ああいう事を読んだな、勉強したな、と記憶の引き出しとして機能する。Kindleでタイトルが表示される程度では、その効果はまず無い。

Kindleのメリットを思うままに書いてみる。1.いくつもの本を開いたままおいておくことができる。2.買うとすぐに配信されてくる。3.新聞、雑誌の自動配信。4.どの端末で開いても、同じ場所から開かれる。ブックマークなど、意識することなく共有されているのは便利だ。5.下線を引いたりメモをしたりできるのだが、大勢の人が同じ箇所に線を引くと、そこが自動的にハイライトされる。この機能は面白くて、Kindleならではだろう。6.そして何と言っても持ち運びの便利さ。

次に、メリットと思っていたのに実はメリットでない点。
本の値段はあまりメリットではないことがわかった。Kindleの本も、Paperback版の本も、同じくらいの値段のことが多いし、むしろPaperback版の紙の本のほうが安いことも少なくない。

結局のところ、上述の本棚に並べておく意義のため、仕事に関係する本は紙の本。小説、雑誌の類はKindleが便利だけど、最近はあまり読んでいないので、結局のところKindleに触れる機会が減ってしまっている。