2010年12月31日金曜日

最近受け取ったメールの言葉遣いに思うこと

先日近所に住む台湾人の知人から年末年始に台湾に帰るので空港まで送ってほしいと頼まれた。メールでである。それは構わない。しかし、人にものを頼むにしては言葉遣いにちょっと問題があった。もともと英語が得意ではなさそうだし、と思ってさほど気にせずに引き受けた。空港に到着して降ろしたとき、突然鍵を渡され、不在中メールボックスにたまった手紙を1,2回ほどチェックしてほしいと言われた。うーむ、面倒そうだな、でもしょうがないな、と引き受けた。

そして、大晦日の晩、つい今しがたのこと、メールが来た(以下の名前や住所はダミー)。
Hi Mike(仮),
Please check our mail box. Thanks. 
555 Hogehoge Pkwy, APT 555(仮)

Bob(仮)
たったこれだけである。これには頭が来た。大晦日の晩である。台湾は既にNew Yearだ。季節柄まず一言、How are you doing on the final day of 2010?とか、We are having a wonderful new year in Taiwanとか、あっていいものだ。最後にも、Happy 2011くらいあっても良い。まあその程度のことには目をつぶったとしても、いきなりの命令文。Please do it, thanks.とは、Bobさん、どう考えても人にものを頼む態度ではないですよ。小間使いか何かと勘違いしているのだろうか。大晦日の晩に、新年早々に申し訳ないけどメールボックスをチェックしてもらえるだろうか、とお願いするところだろう。

普段からあまり細かくうるさいつもりはないのだが、上のようなものを頼む姿勢には疑問を感じる。これは英語の能力とか以前の問題で、Sorry for bothering you in new yearとか、少なくとも対等なものに対して何かをお願いする姿勢というのが滲み出てくるはずだと思う。そういう観点で、上のメールは、小馬鹿にされている、と思えてならず、腹がたった。

単にちょっとだけ気を使ってメールを書くだけで、仮に心のなかではなんとも思っていなかったとしても、人間関係スムーズになるのにな、と思う。日本語には複雑な敬語表現があって、適切に使うのがスムーズな人間関係には重要だ。当然英語にも、丁寧な表現とか、気持ちを表す表現はある。英語を使う人々、とくにEducatedな人たちは、そういった表現に細かく気がつく傾向があるように思う。仕事では常にそういう細かい表現に気を使いながらメールを書いているから、気づかぬうちに自分でも他人の表現にうるさくなっているのかもしれない。

いろんな人と接するにつけて、適切な言葉遣いは大事だと思う。ちゃんとした人は変な言葉遣いはしない。言葉遣いで教育レベルがわかったりもする。新入社員の社会人教育の一番最初は電話受けや言葉遣い、というのも尤もだ。英語が母国語ではないから、アクセントに訛りがあったり、多少文法的に間違ったりするのは母国語でないのでやむを得ないし、そんなところに目くじらを立てて怒る人もいない。しかし、人に何かをお願いするときの姿勢とか気持ちについては、英語が不得意など言い訳にはならないだろう。少なくとも心遣いとか気持ちが伝わるように、特にメールでの言葉遣いには気を付けないといけないと、不躾なメールを受け取って改めて思い知らされた。

ちなみに、アメリカでは不在中の手紙は郵便局であずかってくれて、帰宅後にまとめて配達してくれる。この申請も、今やオンライン化されていて、単にUSPSのホームページに行ってリンクをたどって、不在中の日付などフォームを埋めるだけでいい。多分このことは知らなかったんだろうなあ。空港に到着してからいきなり鍵渡すんじゃなくて、もうちょっと早くにメールボックスのことも話していてくれれば、このサービスのことを教えてあげられもしただろうに。やっぱり、人にものを頼むのが下手な人なのだろう、という気がする。

ちなみにこの話、本人がわからない日本語で愚痴をこぼしている、ということもあるが、一応本人には上のような内容を伝えてあり、謝罪も受けた。

2010年12月17日金曜日

不思議な端末Kindle

読書量を増やそうともくろみ、一昨日注文したKindleが今日届いた。夏の発売直後にはあまり興味もなかった電子ブックだが、最近読書も大事じゃないかと思い至り購入。買う前に色々とレビューやブログのクチコミなどを見たが、実際届いて手にとって見ると、うれしい驚きがあった。

オール紙のみで出来たオシャレな箱を開けると、思ったより小さいKindleが鎮座している。取り上げてみると、軽い。透明なセロハンで表裏と覆われている。まず見てすぐに思ったのは、画面になにか貼り付けてある?という感覚。画面保護のためのシールでも貼りつけてあるのだろうか。それには電源ケーブルをつないでからスイッチを入れろと書いてある。とりあえずKindle本体に張り付いたセロハンを剥がして、書いてあるとおり、電源ケーブルをつないでからスイッチオンしてみた。

すると、、なんとその画面に張り付いたシールと思っていた物が、みるみる様相を変える。そして気づいた。これが電子ペーパーか、と。

今のところ、最初に開かれたマニュアルとウェルカムレター、それと、早速注文したお目当てだった新聞(International Herald Tribune)を読むのに2時間くらい使っただけ。それで気づいたのは以下のとおり。

1.電子ペーパーの画面は、不思議。
上にも書いたとおり、なにこれ、こんなモノ初めて、という感動があった。実際読んでいて、違和感はほとんど無い。液晶画面とは全く違って、読みやすい。ただ、画面の切り替わりが微妙に遅い。一瞬黒くなってから切り替わる。このあたりは将来まだまだ改良されていくのだろうが、現状でも実用上困ることはない。

2.WiFiアンテナは弱めのようだ。
シグナルが弱いと入りにくい。WiFiルーターが遠くにあるので、目の前にあるPCはWiFiシグナルをpoorかfairレベルで掴んでいる。その隣りのPS3も、大体50%くらいのシグナルで、困っていない。この状況で、Kindleは全くシグナルを掴まない。

3.3Gは便利だし価格設定も妥当。
買う前にWiFiだけでいいんじゃないかと悩んだが、3Gに+50ドルは十分ペイすると思う。なにより、世界中どこに行ってもPersonal file transferと新聞雑誌の配信以外には追加料金はかからないようだ。最初のマニュアルを斜め読みした限りでは、本を読むだけで色々とサーバーと通信するようでもある。例えばどの端末で開いても同じところから続きが読めるように場所を記憶したり、本の中に書き込んだメモやハイライトした部分などもサーバー上に記憶されるらしい。その上、TwitterやFacebookとの連携機能などもある。これらが3Gで世界中どこでも使えるわけだ。

4.軽いけど、そのまま持ち歩くのは不安。ケースは必須。
ライト付きのケースを同時に買った。60ドルとケースごときに高めな気もするけど、クオリティは値段相応。しっかりとした作りで、実際受け取ってみると高いとは思わない。ただ、重たい。Kindle本体が230グラムくらいで、ケースも230グラムくらい。ケースに入れると、大きさも重さも手帳のような感じ。手に持って歩くには丁度良い重さとも言える。新書よりは確実に大きく重い。四六判と同じくらいの大きさだけど、もう少しだけ重い。ただ、読むとなると、ちょっと重い感じはする。片手で長時間支えなしに読み続けると疲れる。両手使えば支えなくても大丈夫。肘掛けがあれば片手でも平気。そんな感じか。それでも、ライトも付いていて、多くの本が入っていて新聞や雑誌も常に配信されると思えば、リーズナブル。あとは慣れの問題だろう。

ちなみに、カバーは青にしたが、非常におとなしい灰色っぽい青で、とても良かった。Amazon.comで見ると明るい青のように見えて、注文した後でこんな明るい色だったらちょっとなあ、と思っていただけに、嬉しい裏切り。ただし、明るい青がほしい場合は要注意。

5.本や新聞、雑誌の注文しやすさや配信スピードには満足。
Amazon.comで普通に本を注文するのと同じ要領。ただし、カートに入ることはなく、ワンクリック注文オンリー。確認画面も何もなくいきなり配信される。普段からAmazon.comを頻繁に使っているので、違和感もなく、使いやすい。

注文した新聞、International Herald Tribuneは、NY Timesの国際版。分量も多く、記事も総括的で、文句はない。写真も想像していたよりずっときれい。今までは新聞をとっていなかったのだが、これが月10ドルとなれば、継続的にとり続けようと思う。斜め読みは紙の新聞よりやりにくいかもしれないが、ウェブブラウザで記事を読むよりも圧倒的に良いと思う。なにより毎朝勝手に配信されるので、能動的に記事を取りに行かなくて良いのが◎。

総じて、Kindle自体は値段相応だと思うし、本の注文しやすさや、新聞雑誌の定期購読、自動配信など、魅力的な機能は満載。第一印象としては十分満足。